登記事項証明書(法人設立のみ)

登記簿謄本と登記事項証明書の違い

『会社の登記簿謄本を提出してください』と言われたら、大体は「履歴事項全部証明書」を提出することになります。履歴事項全部証明書は複数ある「登記事項証明書」の一つです。

「登記簿謄本」は昔の名称ですが、現在でも慣習的によく使われますので注意しましょう。登記事項証明書と登記簿謄本は、掲載されている内容はほぼ同じものです。

登記情報は現在電子化されています。閲覧請求があると、コンピュータ化された情報を紙に出力しますが、この書類を「登記事項証明書」といいます。
コンピュータ化される前は登記簿(紙の書類)に記載されている事項を複写して交付しており、その複写した書類を「登記簿謄本」と呼んでいました。

コンピュータ化されるまでは長らく「登記簿謄本」と呼ばれていたので、今でも慣習的に「登記事項証明書」を「登記簿謄本」と呼ぶ場合がありますが、書類ができあがるプロセスが違うだけで証明する内容や効力はほぼ同じです。

登記事項証明書がどんな時に必要になるかというと、「金融機関からの融資における審査時」、「補助金や許認可の申請時に会社の状況を公的に証明するため」、「新規の取引開始時の与信チェックの一環」等が挙げられます。


登記事項証明書の種類

「登記事項証明書」には4種類の証明書があります。もし「登記事項証明書を提出してください」と言われたら、以下の4種類のどれなのか確認しておきましょう。


履歴事項証明書

以前「登記簿謄本」と呼ばれていた書類に相当します。会社に関する最新の事項に加え、過去3年(正確には証明書の請求があった日の3年前の日の属する年の1月1日から現在まで)の変更履歴が記載された書類です。

この履歴事項証明書には、記載対象となる事項の種類により「履歴事項全部証明書」「履歴事項一部証明書」の2つがあります。「全部」のほうが記載事項が多い(=証明できる事項が多い)ため、特に理由がなければ請求時には「履歴事項全部証明書」を指定するのがよいでしょう。


現在事項証明書

会社の現時点での登記事項を証明する書類です。上述の履歴事項証明書から過去の履歴を除いたものになります。現時点の状況さえ確認できればよい手続きで使用されますが、頻度としては履歴事項証明書よりは少ないです。

現在事項証明書にも「全部」と「一部」があります。


閉鎖事項証明書

履歴事項証明書の記載対象より以前の履歴が対象となる証明書です。社歴が長い会社や、組織再編等があった会社など、履歴事項証明書だけでは確認しきれない場合などに利用されます。


代表者事項証明書

その会社の、現在における代表権を持つ者を証明する書類です。裁判の際など代表者の権限の証明に用いられます。